キク科花粉症

1)ブタクサ花粉症

初秋の花粉症の原因はブタクサ花粉による。ブタクサには葉が羽状に細かく切れ込んだブタクサとブタクサより大形で葉が対生し掌状に切れこんだオオブタクサ(クワモドキともいわれます)の2種類がある。最近見られるものはほとんどがオオブタクサ(右上)である。線路沿い、空地、道路の道端などにブタクサが繁殖し、年々増加している。8月になるとブタクサ、ヨモギなどキク科花粉症がみられる。アレルギー症状はスギ花粉症より重症で、花粉の量が多いためと考えられる。

)ブタクサの由来

 ブタクサについて…ブタクサは英語ではragweedという。ragweedをなぜブタクサと呼ぶようになったか必ずしも明らかでないが、アメリカから到着した荷物のクッションの役目として使われていた植物がragweedであった。ある通訳の人がragをぼろきれ、詰め物ではなくいやしい人という意味でブタと訳した。そしてweedを雑草と訳して、両者を合わせてブタクサと呼んだらしい。ブタクサの開花期は8月初めから9月中旬である。

)ブタクサを早期に除去しよう

 ブタクサ花粉症を減らすには、空地や道端に生えるブタクサを早めに除去することが必要である。ブタクサは7月ころから背丈が大きくなり始め、8月には花咲き、背丈は2メートル位になる。伐採しようと近づくとひどいアレルギー症状を発症することがある(右下は7月中旬頃のオオブタクサとヨモギ)。7月ごろ地域住民が協力してブタクサやヨモギを除去すればブタクサ花粉症の患者が減るに違いない。花粉症と言えばスギ花粉症と思いがちだが、長野県のような田舎ではブタクサ花粉症のほうが症状は重い。みんなで協力してブタクサを除去しよう。

)通年性花粉症

花粉症の患者の3ないし4割ぐらいはスギ花粉の他にイネ科花粉またはキク科花粉に重複感作されている。このような患者はスギ花粉症が治まったと思ったら続いてカモガヤや8月にはブタクサなどによるアレルギー症状が続き、花粉症が1年を通して続く事がある。このように季節性アレルギーの患者の何割かは春のみならず、夏や秋になってもアレルギー症状が出現し、花粉症が通年化している。

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