今後の問題点

 

)漫然とステロイド外用剤を使わないこと

 

アトピー性皮膚炎の治療は,ステロイド剤の外用など対処療法が主であるが、治療の方法は個人によってそれぞれ異なる。原因・増悪因子などを考えずに漫然とステロイド外用剤を使っていると、皮疹の改善と中止による再発が繰り返され,患者が不信感を持つ。ステロイド外用剤に嫌悪感を募らせ,皮膚科医を離れ、それに変わるものとして“青い鳥”を求めさまようようになる。表面だけの青い鳥(アトピービジネス)は数多く生息し、多大な利益をあげており、皮膚病ぐらい薬を使わずに治したい,という希望を叶えてくれそうなニセの“青い鳥”も待ち構えている。アトピービジネスによる副作用も社会問題になっている。皮膚科医がもう少し真剣に原因対策や悪化因子を除くよう努力しなければ、皮膚科医が「ステロイド軟膏は使い方を正しく使えば心配ないよ、アトピービジネスはいけませんよ」と叫んでみても、患者の方は皮膚科医を信じないし、いつまでもアトピービジネスに騙されてしまうと思う。

 

)生活習慣を考え直そう

 

アトピー性皮膚炎は遺伝的要因が強いと考えられているが、私は戦後から今までの生活習慣、環境の変化に何らかの原因・増悪因子があるのではないかと思う。食べ物では米、大豆、野菜、魚を主とした和食に変わって、肉、乳製品などを主とした西欧食が多くなった。環境問題としては大気汚染に加えて環境ホルモン(ダイオキシンを含む)や過敏性化学物質が増え、細菌感染の減少による免疫機構の変化なども原因となろう。また、社会の仕組みが複雑となり、人間関係の煩わしさからくるストレスに悩み皮膚炎が悪化する人も少なくない。

 

)脂肪の取りすぎに注意しよう

戦後の日本人の食生活は西欧化し脂肪の摂取が増えている。食べ物では米、大豆、野菜、魚を主とした和食に変わって、肉類、乳製品、サラダ油などを食べる機会が増えた。これらの中にはリノール酸やアラキドン酸が多く含まれ、アレルギーを起こしやすい体質が作られている。一方、和食には脂肪が少なく、青魚や海草などにはEPA,DHAなどアレルギーを起こしにくい脂肪酸が多く含まれる。私たちの食事に関しては、脂肪の取りすぎを止め、リノール酸の多い油とそれを使用した製品、たとえばマヨネーズ、ドレッシングや、リノール酸が入っている菓子類を止めるとよい。そして、α一リノレン酸の多いシソ油を使い、青魚などEPA,DHA含む食べ物を多く摂るようにすれば、血液のリノール酸系脂肪酸/α一リノレン酸系脂肪酸のバランスが改善され、アレルギーになりにくい体質になる。

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